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Shoulder System Modification Procedure

  • Yudai Sasaki
  • Oct 12, 2015
  • 3 min read

Shoulder System Modification Procedure

10月11日、東北大学で行われたJeremy Lewis先生の1Day Seminarに参加しました。

Lewis先生は肩関節、特にインピンジメントや腱板に関する多くの論文を書いています、さらに最近ではGrieve’s Manual Therapyなどの有名な著書の編集等も行っている世界的に有名な先生です。

今回のセミナーではShoulder System Modification Procedure(SSMP)という先生が提唱している評価システムについて、その使い方や背景となる研究を紹介してもらいました。

これがそのSSMPです。Open Accessの論文なので是非読んでみていただきたいと思います。

http://bjsm.bmj.com/content/43/4/259.full

おそらくこの論文を読んだ方の多くが、「意外と、簡単な評価項目だな」と感じるかも知れません。

普段から筋骨格系の理学療法を実践している方ではなおのことそのように感じるのではないでしょうか?

例えば、この評価体系を肩関節の障害のルーチンとするのであれば、整形外科的テストを行う必要はありません。

なので、SLAPでしょうがImpingementでしょうが、いっそ腱板が切れていようが特にその辺は理学所見として確認しません。

この理由は、そもそも論で整形外科検査であれ、画像検査であれ適切に鑑別を行える、または患者の症状をちゃんと反映している検査方法がないからです。

整形外科検査について考えていってみましょう。

私たちは教科書的には腱板の各筋・靭帯というのはそれぞれ独立した解剖学的構造であると認識しています。

しかし実際の腱板・靭帯というのは献体を対象にした場合にそのはっきりとした切れ間が確認しにくい構造になっています。(Clark and Harryman 1992)

つまり、棘上筋のテスト、関節唇のテストなどを分けることは難しいだろうと考えられます。

運動学的に見ても、棘上筋のテストを行った場合のEMG活動が全然棘上筋バイアスなものにならないという報告もあります。(Boettcher 2009)

結論として、整形外科的検査は現在のところ、鑑別診断ではなく、症状を誘発・確認するために使うべきと考えられるようです。

臨床的には、もし簡単な自動運動で症状が確認できるのであればわざわざやる必要がない検査という見方もできます。

では画像検査はどうでしょう。これについては、かなり多くの研究で患者の症状と画像所見が矛盾することが報告されています。これは腱板の病理などが一般的な中高年に限らずスポーツ選手などでも同様の報告があるようです。

例えば1999年のFrost氏の研究ではインピンジメント患者とコントロール群のMRI上の異常所見がいずれも50%とほぼ等しい値になっています。(Frost 1999)

他にも関連した研究がかなり多くあったのですが、上記のような理由からSSMPでは胸椎の可動域・肩甲骨・上腕骨・それ以外の痛み治療の機能面に着目した分類に分けて順番に検証を行って行くようです。

詳細な方法についてはここでは説明できませんが、こういった方法であれば経験値に限らずどのPTでも実践しやすいですし、日本の場合であればドクターからの理解も得られやすい方法とも感じます。

理学療法の評価というのはとても奥深く、時にとても複雑です。それが私たちの仕事の醍醐味と感じますが、その反面、治療を複雑にしている可能性も否定できないかもしれません。

この方法が最良とは言えないかもしれませんし、これまでの方法を否定するわではないのですが、こういった分かりやすく、効果も割と確認しやすい方法をルーチンに実践していくことが求められる施設も増えてくるのではないでしょうか。


 
 
 

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