腰痛患者のケーススタディー
- HIroki Saito
- Aug 27, 2015
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慢性腰痛患者は異なる症状を呈することから一つの括りとしては扱えなく、病態がどのくらい影響するか、痛みのタイプ、運動パターンはどんなものか、ストレス、睡眠、全身のコンディショニングなど疼痛を助長させる(英語で言えば、sensitizing nerve system)因子があるかなど様々な条件を考える必要があります。またいざ患者さんに説明するときの言葉などにも注意をする必要があり、not really(それほどでもない)maybe(かもしれない)などを使うと場合によっては疼痛閾値が下がることを考慮しないければいけません。カーティン大学のマスターコースでは慢性疼痛で有名なサリバンが授業を教えるため、以下のようなケースなどを使ってみんなで議論することがあります。
30代男性、建設業 1週間前に重い荷物を何度も持ち上げたことで腰痛と左下肢の痛みを発症した。神経の症状はでてない。痛みは徐々に軽減してきたが、それでもまだ強い痛みを訴える。 増悪因子は座位、前屈、リフティング 軽減因子は無荷重(横向きで膝を曲げる)。MRIではL5/S1のヘルニアで S1神経のすぐ近く。痛みの特徴は、持続的な下肢の痛みが座位、前屈、持ち上げ動作で増加。 患者さんによるとヘルニアがあり、それが神経を圧迫しているとのこと。現在のストレスレベルは高いが、以前は問題無し。ここ6ヶ月では身体の活動レベルは高くなく、夜はお酒を飲むことが多く、睡眠不足も続いている。 疼痛過敏がL5S1付近でみられ、座骨神経も敏感な状態。SLRでは20度で下肢の痛みが再現。 座位、前屈では下部腰椎の前弯が減少。前屈と左側屈で下肢の痛みが再現。
1、存在するリスクファクターを述べよ 2、どの部分のcognitive factorを修正する必要があるか 3、どのように患者に説明し、教育するか 4、急性期のマネージメントは? 5、長期的なマネージメントは? 6、再発予防のプランは?
皆さんも自分ならどうするか考えてみてください。
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