自分の畑は自分で耕す。
- 佐々木 雄大
- Jun 9, 2015
- 3 min read
先日まで、東京で行われた理学療法学会に参加してきました。
いろいろなことを学び感じた学会でしたが、特に感じたことのひとつに「運動器リハちょっと将来的に危ういんじゃないか問題」があります。
もちろんこれはあくまで僕の主観ですし(そもそもそんなタイトルの問題でないです)、一概にそうは言えないのかもしれませんが、学会を通して協会はどちらかといえば予防的な働きを政府や研究機関と一緒に頑張ろうとしているように感じられました。
もちろんこれはかなり前向きな目標で、虚弱な高齢者を減らして患者とされる対象者を減らす、さらには産業への介入を長引かせ国の税収があがるようにするというものです。(あくまで一例です)
で、問題はここからで、「じゃあ、どんな人が運動器リハで治すの?特に外来治療で治すべき対象はだれ?」
これに関する答えは正直なところ学会を通して見つからなかった印象です。
いずれにしても、理学療法のエビデンスは理学療法士が作る、さらにはそれだけでなく、費用対効果の影響も含めて日本の保険システムに依存できる治療を設定する必要があるのではと思います。
現在僕は、理学療法診断学というグループで肩関節周囲炎に関する臨床研究を行っています。その研究目的は以下のとおりです。
肩関節周囲炎患者に,標準的理学療法,標準的理学療法+超音波療法,あるいは標準的理学療法+徒手療法を週1~3回実施し,治療終了イベントを指標として,生存分析によって,それぞれの理学療法モダリティの障害改善効果に差があるか否かを明らかにすること,
肩関節周囲炎患者に,標準的理学療法,標準的理学療法+超音波療法,あるいは標準的理学療法+徒手療法を週1~3回実施し,上肢機能障害,患者立脚型改善度,関節可動域を指標として,群間比較法によって,それぞれの理学療法モダリティの短期的(2週間~3か月),中期的(6か月~1年)障害改善効果に差があるか否かを明らかにすること,
肩関節周囲炎患者に対する標準的理学療法,および標準的理学療法+超音波療法の上肢機能障害,患者立脚型改善度,および関節可動域における効果が,患者の病期の違いによって異なるかどうかを,群間比較法によって検討すること,
基本属性・医学的属性・身体機能および運動機能をの診断学的指標を算出すること,および外来理学療法実施前の属性や身体機能から介入効果を予測するClinical Prediction Rule(以下,CPR)を抽出することである。
僕は最初これを見たときは、とりあえずすごい目標で、なんだか難しそうだなって印象だったんですが、今とりあえず言えることはこの研究は肩関節周囲炎というどうしても長引いちゃう肩疾患において『誰が、どんな理学療法をやる価値ある患者なの?』かについてヒントを与えてくれると思います。またそれが直接的な臨床上のヒントではなくても、肩関節周囲炎への理学療法の現実を見せてくれる気がします。
そして今この研究、一緒に頑張ってくれるメンバーを募集中です!これだけのことをする研究なので必要n数も大きく、現在4施設で実施を計画していますが、まだまだ足りません。。。
興味がある方、ぜひ一緒にやりませんか?楽しみに待ってます😊
*興味がある方はこちらへアクセス
理学療法診断学教室http://physical-therapy-diagnostics-group.kenkyuukai.jp/about/
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