Curtin 大学院の実習について
- Hiroki Saito
- May 22, 2015
- 3 min read
Curtin大学ではthe master of clinical physiotherapy という一年間の理学療法士として働いている人用の大学院コースがあります。advanceな解剖や病態、evidence base、筋骨格系の評価、治療などの科目などいくつかありますが、実際に患者さんを治療する実習があります。
ここでは、筋骨格系の患者さんがいらっしゃいます。基本的には初診90分を分け与えられ問診から治療までをスーパーバイザーの監視のもとで行います。
一番重点を当てているのが、問診の後どのような仮説を立てて実際の検査を何を目的で行うのかです。
ここで問診後にバイザーとのコミュニケーションとして使われているのが、リーズニングシートというものでいくつかの項目に分かれます。
1、患者の主な主訴をリストする
2、患者のキーとなる参加制限をリストする
3、症状増悪因子、軽減因子をリストする
4、痛みの種類が何か?(nociceptive inflammatory mixed neuropathic functional)
5、痛みはメカニカルかノンメカニカルか?
6、イリタビィリティの程度
7、レッドフラッグは考えられるか?
8、心理社会的要因はどのくらい影響しているか?
9、末梢神経系または中神経系の関与はあるか? Neurological examinationは必要か?
10、考えられる診断をリストする
11、客観的検査をリストする
問診から効率よく検査を進めていく上で、1-10の項目をしっかり自分の中でクリアにできれば自ずと検査で何をしなければいけないのかということが決まります。なのでしっかりと検査に結びつけるための問診をするための良いトレーニングになります。それが検査によって否定されればまた仮説を修正しなければいけませんし、それらが肯定されれば、治療に妥当性がでてきます。
理学療法士の治療はここが固いから治療をする、この筋が使えていないからトレーニングをすることに最終的にメインにはなると思いますが、ただその見えている機能異常がどのくらいその患者に関与しているのか、本当にそこを治療すると改善するのかということを考えるには問診がとても必要です。例えば、腰椎の回旋制限が痛みとともにあったとしてもそれがぶつけたことによる硬さかもしれませんし、デスクに座っている姿勢が適切でなくそうなっていることも、または腰を捻ることが腰に悪いと信じきっていることが原因のこともあります。原因が単純な外傷後の制限であれば、徒手療法やセルフエクササイズがききますし、日常の習慣であれば負担のかからない姿勢指導になります。三つの目のケースであれば、しっかりとした教育がメインになるでしょう。
このように症状のメカニズムを捉え、適切な治療をするために問診で上の項目をどれだけ論理的に答えられるかということはとても重要に感じます。

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