運動解析
- Hiroki Saito
- Apr 6, 2015
- 3 min read
異常な運動が痛みを引き起こすのか、それとも痛みがが異常な運動パターンを作り出すのか。シンプルな事象ですが、これを判断するのはなかなか難しいと思います。
しかし近年では、痛みなどの症状とある特定の運動パターンの関連性が明らかになりつつあり、この異常な運動パターンを修正することで症状な改善することも明らかにされてきています。しかし臨床においては、根幹であるこの異常な運動パターンを評価するツールがセラピスト各自の視診や触診によるものがメインとなっております。またどこの医療機関にいっても、例えば血液検査のように、信頼性、妥当性のある評価が存在しないのが現状です。そのため、クリニックや病院、またはセラピストそれぞれによって治療の方向性ががらっと変わり、属に言うinadequate variationつまり適切でない治療の多様性が生まれます。これよって一番不利益を被るのは患者さんです、あるところでは肩の痛みは肩関節の炎症、別のところではそれが骨盤から、足部から来ているなどとなり、もちろんそれが原因なこともよくありますが、使い方を間違えば不正確な情報によって慢性腰痛が悪化することもよくあります。
これを解決する一つとしてはやはり筋電図や三次元動作解析装置などのツールを臨床応用です。けっこう前から言われてることですが、未だに一部の医療機関でしか使えていないのが現状です。コスパの面で。理学療法は基本的に徒手療法、多様なエクササイズ、ストレッチ場合によっては物理療法の併用など、組み合わせで行うのが主流ですし、また臨床推論の考え方も進歩してきており、評価項目が複雑です。さらに、近年では一つの関節や筋に照準を当てたisolated assessment and strengtheningは主流ではないとも言われています。例えば、中殿筋をひたすら鍛えて、膝の痛みを治すなど。
ただ意外と答えはシンプルなこともあります。問題なのはほんとに中臀筋入ってるか入ってないかなんて視診でわからないことです。トレーニングした後、ほんとに動きの中に動員されてるかも筋電を取らないとわかりません。前屈の時に胸椎や股関節をうまく使えてないとかも三次元でみないとしっかりわかりません。もしかしたら、単一の筋や関節が単純に使えていないだけで症状が起こってるシンプルな問題なのに、客観的に測れないことで、こちら側で評価内容または原因を複雑にしてることもあるかもしれません。
膝が痛い患者でスクワット中の中殿筋の活動をとり、腰痛の人へ前屈時の各関節のdistributionを計測し、フィードバックし、数ヶ月ひたすらそこだけ単純にトレーニングして治すというシンプルな方法で救われる人がどれだけいるのか考えるとワクワクしますね。
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