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Treatment for central sensitization

  • Hiroki Saito
  • Apr 6, 2015
  • 3 min read

Exercise therapy for chronic musculoskeletal pain: Innovation by altering pain memories

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25090974

臨床ではある動きとそれによって生ずる痛みとの関係を考えるとき、おそらくほとんどのセラピストはどこの関節がうまく動いていないなどの可動域制限と筋力低下(筋自体の出力の強さ、持久力やstability含め)を原因として挙げると思います。それらを徒手やエクササイズなどの治療を駆使して即時的に改善することをメインの治療方針としていると思います。

このような介入を繰り返し、何回かのセッションで機能が戻り治療が終了することもありますが、反対にありとあらゆる機能異常の可能性を追求して徒手でやっては改善せず、また違う仮説を立てて試すを繰り返すこともあります。よく自分は肩の患者さんにGHでだめなら、肩甲胸郭関節、それでだめなら鎖骨、だめなら骨盤あたりを攻めていろいろやって何も改善しないことをよく経験しておりました。。。。

このような臨床の難しさに一つ新しい選択肢を与えるのが、central sensitization(中枢神経感作)簡単に言うと痛みが敏感になっている状態です。これは慢性疼痛患者によく見られる傾向です。ちなみに慢性疼痛患者は3ヶ月異常続く痛みのことをいうので、ほぼクリニックに来るような人は程度はどうあれこのcentral sensitizationを持っていると考えてもいいと思います。つまり、この場合普通の人が痛みと感じない刺激でも痛みに感じることになったり、もっとひどければ例えば手を万歳することに恐怖を感じていることもあるので、いくら局所のどこかを徒手で介入しても治る要素がありません。

これを解決するための手段として、Graded Exposureというコンセプトです。これはシンプルで、患者さんが最終的に行いたい動作(たとえば腰を曲げて物を拾う、野球選手が全力投球でできるなど)に向けて、少しずつ負荷を上げていくという方法です。これは関節や筋などの末梢の器官をフォーカスしているわけではなく、「この動きは自分にとって痛くないんだよ」と徐々に脳に教えていく作業をメインとしています。以下の動画はハーネスを体につけてジャンプなどの動作を行うことにより負荷を徐々に強めていく方針です。https://www.youtube.com/watch?v=Xi6VGAjpgdw

徐々に負荷を高めていき、元々行いたい動作に近づけていきセラピストが評価する機能面と患者さんが自信がつけば、元々の主訴の痛みの動作に曝露(expose)させます。ただこの主訴の動作の痛みは初めのうちにかなり詳細に聞く必要があります。例えば重いもの運ぶのが痛い腰痛患者であれば、①どのくらいの重さ①1日どのくらいの回数③その時の忙しい具合④床の状況 などなど痛みに影響するであろう因子になるべく近づけるのが理想です。たった一回の動作でうまくできても回数に耐えられなければまた再発してしまいます。

介入で痛みの即時効果が得られない時、他の機能異常の仮説を立てることよりも痛みが敏感になっているという見地に立てば、治療戦略は局所の関節の徒手療法、関節のスタビライゼーションではなくどのような負荷量の段階ずけで動作を練習していくか、それをどのくらいの期間で行っていくか、それを患者さんに説明をすることに焦点を絞る選択肢です。

もちろん多くの患者さんは末梢の機能異常とcentral sensitizationを両方持っていることが多いと思いますので、うまくバランスを見つけて行うのがアート的なところですね。

https://www.youtube.com/watch?v=RooRW-6bRbA

 
 
 

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