step3:批判的吟味
ここでいうところの批判的吟味とは論文の内的妥当性の検討を意味します。つまり研究対象者と同じ介入で研究した場合に同等の結果が再現される程度のことです。一般にはバイアスが少ないという言葉で理解されていることも多いかもしれません。
この内的妥当性の程度を示すスケールとしてPEDro scaleがあります。
1.外的妥当性に関する判断基準は明記されているか(※この項目は外的妥当性に関する内容なのでPEDro scoreの計算には含まれない).
2.対象は各群に無作為に割り付けられているか.
3.割り付けは隠蔽化されたか.
4.各群は最も重要な予後の指標についてベースラインで同様であったか.
5.すべての対象者に盲検化が行われたか.
6.治療を実施したすべてのセラピストに盲検化が行われたか.
7.少なくとも1つの鍵となる結果を測定したすべての評価者に盲検化が行われたか.
8.少なくとも1つの鍵となる結果の測定が、最初に各群に割り付けられた対象の85%以上から得られたか.
9.治療群、対照群、あるいはそれ以外のすべての対象について、少なくとも1つの鍵となる結果についてのデータがITT解析に基づき解析されたか.
10.群間の統計学的な比較結果が、少なくとも1つの鍵となる結果として報告されているか.
11.その研究は少なくとも1つの鍵となる結果について、変動の測定と点推定の両方を提示しているか.
(木村 2008より引用)
上記のPEDro scoreが優れた論文ほど、より普遍性をもって患者に適応することが出来ます。しかし批判的吟味はPICOで示した患者の問題の形式化が十分に成されて活きてくるといえるでしょう。
またSystematic reviewやMeta-analysisなどの二次情報はこのようなチェック過程は必要ないものの情報の更新とともに、ある種の有効期限切れが生じるため定期的に新しい内容に更新していく必要性があります。